Reseach Theme

研究テーマ

観光学と地理学のあいのこ的な意味合いも持つ観光地理学をベースにしていますが、
近年は、観光現象(観光地や観光客)を純粋に理解するという以外に、
各種の観光課題に基づく活動(政策提案、ツアー企画、プロモーション等)を行なっています。
現在、特に関心を持っているテーマは以下の4つです。

都市や自然環境と観光(ツーリズム)の関係性の解明

「観光」は多くの産業や人々に関わる幅広い概念です。その様相が実際に現れる空間は、都市や農村、自然地など様々な諸条件を持ちますが、その条件によって「観光」はどのようなものとして認識されるのでしょうか。私はアンケート調査や聞き取り調査、ガイドブック等の資料を用いて、「地域(空間)」と「観光」の関係を理解することを試みています。

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有馬貴之 2015.旅行ガイドブックにみる富士山観光のイメージ変化—『るるぶ富士山』の目次を対象としたテキスト分析.地学雑誌124:1033-1045.

インバウンド観光客を始めとする観光客の資源・空間利用に関する研究

近年は訪日外国人の行動把握のために、ビッグデータなどを解析する等の事例を見聞きすることがあると思いますが、実はそのような行動データの分析手法は未だ発展途上であり、改良の余地が多く残されています。私は主にGIS(地理情報システム)を用いて、様々なデータを解析し、可視化、分析する手法の開発や実装を試みています。


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有馬貴之 2013.観光地理学とGIS.GIS NEXT43:70.


観光政策に寄与する適正な観光客数等指標の推計

地域(空間)を持続的に運営(経営)していく上では、観光客数が多ければ多いほど良いというものではありません。DMOや自治体等も事業・政策の目標値として観光客数を設定する事例は多いものの、その根拠は科学的とはいえません。この問題の解決は簡単ではありませんが、研究上の究極の目標として、持続的な観光地経営に資する観光客数等指標の開発(推計)を目指しています。

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有馬貴之・倉田陽平 2010.AHPを用いた自然管理地区における重要度メッシュの算出.地理情報システム学会講演論文集19(CD-ROM).

大学等の観光教育における教授法の開発と実践

大学教育に対する社会的な要請や手法は日々変化しており、観光教育も例外ではありません。そこで、学生の主体性をより際立たせる教授法(アクティブ・ラーニング)の手法開発、学外では観光ホスピタリティ産業の皆様のご協力を得ながら、学生のポテンシャルを生かした各種活動(ツアー提案、プロモーション提案等)や有償インターンシップの導入による教育を行なっています。

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有馬貴之・青山朋史・山口珠美 2016.箱根ジオパークと観光教育―帝京大学の演習授業にみる教育効果とその要因.地学雜誌125:871-891.

論文

  • 有馬貴之 2018.日本におけるロングステイ研究の動向.長期滞在型・ロングステイ観光論集2: 11-17.
  • 呉羽正昭・フンク カロリン・有馬貴之 2017.インバウンド・ツーリズムの発展を地理学で考える.E-Journal GEO 12: 329-331.
  • 有馬貴之・青山朋史・山口珠美 2016.箱根ジオパークと観光教育―帝京大学の演習授業にみる教育効果とその要因.地学雜誌125:871-891.
  • 宮原育子・菊地俊夫・有馬貴之 2016.巡検第1班栗駒山麓ジオパーク.E-journal GEO 11: 570-572.
  • 有馬貴之・加藤 大 2015.観光教育における反転授業の導入−「観光地理」の講義を題材に.日本観光研究学会全国大会学術論文集30:181-184.
  • 有馬貴之 2015.地理的分布にみる日本のジオパーク.歴史と地理688:25-32.
  • 有馬貴之 2015.旅行ガイドブックにみる富士山観光のイメージ変化—『るるぶ富士山』の目次を対象としたテキスト分析.地学雑誌124:1033-1045.
  • 有馬貴之ほか(16名) 2014.箱根湯本における外国人観光客の土産物購買行動と土産物店・宿泊施設のサービス・コミュニケーションの状況.観光科学研究7:45-52.
  • 有馬貴之 2013.小笠原諸島と世界遺産−登録から2年後の現状.地理58:44-52.
  • 有馬貴之 2013.観光地理学とGIS.GIS NEXT43:70.
  • 伊藤修平・青野由季・佐藤由佳・横手麻衣子・有馬貴之・菊地俊夫 2013.箱根・宮ノ下における外国人観光客の受け入れ態勢の現状.観光科学研究6:183-188.
  • 河東宗平・雨宮尚弘・梶山桃子・川嶋裕子・塩川さとこ・有馬貴之・菊地俊夫 2013.箱根・強羅における外国人観光客の受け入れ態勢の現状.観光科学研究6:189-194.
  • 山本大地・小林茉里奈・中塚典孝・前澤由佳・有馬貴之・菊地俊夫 2013.箱根町箱根における外国人観光客の受け入れ態勢の現状.観光科学研究6:195-200.
  • ARIMA Takayuki 2012.Self-imposed management in the Ogasawara Islands and their academic capital against world heritage. Transforming and Managing Destinations: Tourism and Leisure in a Time of Global Change and Risks 2012:63-72.
  • 菊地俊夫・有馬貴之・黒沼吉弘 2012.小笠原諸島の観光と自然資源の適正利用―南島の事例を中心にして―.ペドロジスト56:101-108.
  • 有馬貴之ほか(10名) 2012.長野県安曇野市におけるメディアの効果と地域の再編 : NHK連続テレビ小説『おひさま』がもたらすもの.観光科学研究5:1-14.
  • 菊地俊夫・有馬貴之 2011.オーストラリアにおけるジオツーリズムの諸相と地域振興への貢献.地學雜誌120:743-760. 
  • 深見 聡・有馬貴之 2011.九州のジオパークに対する観光客のイメージ : 4つのジオパークにおける観光客アンケート調査から.地域環境研究 : 環境教育研究マネジメントセンター年報 3:47-54.
  • 有馬貴之・倉田陽平 2010.AHPを用いた自然管理地区における重要度メッシュの算出.地理情報システム学会講演論文集19(CD-ROM).
  • 有馬貴之・駒木伸比古・菊地俊夫 2010.小笠原諸島父島における観光客の行動特性--時間地理学の手法を用いて.日本観光研究学会全国大会学術論文集25:181-184.
  • 倉田陽平・有馬貴之 2010.対話的旅行計画作成支援システムの実装と評価.日本観光研究学会全国大会学術論文集25:173-176.
  • 有馬貴之 2010.動物園来園者の空間利用とその特性-上野動物園と多摩動物公園の比較.地理学評論 83:353-374.
  • ARIMA Takayuki 2010.Calculation of factors of impact on 4WD track degradation in Fraser Island, Australia: Geographically weighted regression analysis for natural science.Proceedings of the 5th Japan-Korea-China Joint Conference on Geography:21-24.
  • 矢部直人・有馬貴之・岡村 祐 2010.GPSを用いた観光行動調査の課題と分析手法の検討.観光科学研究 3:17-30. 
  • 菊地俊夫・有馬貴之 2010.オーストラリアの国立公園における環境資源の保全と利用の地域的性格.観光科学研究3:41-55.
  • 倉田陽平・矢部直人・駒木伸比古・有馬貴之・杉本興運 2010.何を,いつ,どれくら い見て,どこに興味を示すのか?-訪日外国人観光客のより詳細な行動調査に向けて.観光情報学会研究発表会講演論文集2:43-48.
  • ARIMA Takayuki 2010.Development process of urban tourist area−a case study of Odaiba in Tokyo. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University 45:45-56.
  • 有馬貴之 2009.ルーラル・ジェントリフィケーションに伴う観光資源の形成-富山県小矢部市メルヘン建築の事例.日本観光研究学会全国大会学術論文集24:161-164.
  • 矢部直人・有馬貴之・岡村 祐 2009.上野動物園におけるGPSを用いた来園者行動の分析.日本観光研究学会全国大会学術論文集24:229-232.
  • 有馬貴之 2009.上野動物園と多摩動物公園における空間利用の時空間変化とその地域的差異.地理情報システム学会講演論文集18:9-14.
  • 有馬貴之・和田英子・小原規宏・菊地俊夫 2009.若者のレクリエーション行動からみた偕楽園という観光空間.観光科学研究2:49-63.
  • 有馬貴之 2005.小矢部市地域アイデンティティー「メルヘン」の構築.富山の地域研究 87-103.

学会発表・講演等

  • 有馬貴之 2017.箱根における外国人観光客と地域の対応.2017年度日本地理学会秋季学術大会.2017年9月,三重.
  • 有馬貴之・川島涼資 2016.ジオパークと大学連携−帝京大学観光経営学科の取り組み.箱根ジオパーク現地審査会.2016年8月,箱根.
  • 有馬貴之 2015.観光教育における反転授業の導入−「観光地理」の講義を題材に.日本観光研究学会第30回全国大会.2015年11月,高崎.
  • 有馬貴之 2015.子どもから大人までの社会科見学の旅.めぐろシティカレッジ.2015年1月, 東京.
  • ARIMA Takayuki, KIKUCHI Toshio 2013.The Difference in Support Provided to Foreign Tourists among Four Districts in Hakone, Japan: Yumoto, Hakone-machi, Goura and Miyanoshita. International Geographical Union Regional Congress 2013 Pre-Conference Meeting Tourism between Tradition and Modernity,2013年8月,Beppu/Miyajima/Okayama.
  • ARIMA Takayuki, NAOI Taketo, KURATA Yohei 2013. Who are the potential customers on Niijima Island?: Comparing consumer behavior of tourists and locals.IGU 2013 Kyoto Regional Conference.2013年8月,Kyoto.
  • 有馬貴之 2013.2001年以降の研究動向からみた観光地理学への視座.2013年日本地理学会春季学術大会観光地域研究グループ.2013年3月,熊谷.
  • 有馬貴之 2013.大地の遺産百選とその選定作業−アンケート調査(第1回)の結果を踏まえて.2013年日本地理学会春季学術大会.2013年3月,熊谷.
  • 有馬貴之 2013.2000年以降における観光地理学の動向.進化経済学会観光学研究部会第17回研究会.2013年3月,八王子.

研究業績については Research Map もご覧いただけます。